花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

草月いけばな展 2023

先月、日本橋高島屋を会場に草月いけばな展が開催され、前・後期に分けた会期の前期(10月25〜27日)に出品しました。

今さら感が否めませんが、備忘録的な意味で書き残しておきたいと思います。

 

Sosyu:イブキ、サンゴミズキカーネーションヒペリカム

 

今回は受付から入って直ぐの角席というとても恵まれた花席を担当させて頂きましたが、実は思いの外、難儀しまして・・・。

というのは、正面(席札を置いた側)からだけでなく、斜めから、真横から、場合によっては裏からと、あらゆる角度からの視線に晒されることになりますので、それを考慮しつついけなくてはならない訳です。サンゴミズキの赤い曲線を奔放に散らして、踊るような軽快さを演出したい!と考えたのですが、角度によってはただの野暮ったい線にしか見えなかったり、全体のバランスを台無しにしてしまう線に反転したりで、集中力がプチッと切れる寸前(いや、切れてたな・・・)でした。

それでも、塚本先生や諸先輩方がご自身も制作中にも関わらず陣中見舞いに立ち寄って下さり、かけて頂いた激励に勇気づけられて、なんとかギリギリ滑り込みで仕上げることができました。本当に感謝しかありません。

 

第104回草月いけばな展が開催されます | いけばな草月流

 

お陰様で評判はまずまず、特に緑のグラデーションと赤の色合わせにはたくさんのお褒めの言葉を頂きました。また花器へのコメントも多く、その魅力には随分と助けられました。実際、今回はこの花器を作品の発想の元としましたので、ある意味狙い通りと言えるかもしれません。

この花器はお世話になった先輩から譲り受けたもので、コロンとした丸いフォルムも、メレンゲでコーティングしたような艶やかな白色も、球体部分を支える控えめな脚も、とても気に入っています。これからも長く大事にしたいと思います。

 

改めまして、ご来場くださいました皆さまには心よりお礼申し上げます。