花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

昨日のお稽古:28 Apr 2024

4月最後のお稽古はS.I.さんです。

今回、たまたま杜若が手に入りましたので、予定のお稽古にプラスして、”一花五葉(いっかごよう)"の手順についても学んで頂きました。

草月では「このようにいけなければならない」というような決めごとは基本的にありませんが、花菖蒲・杜若の場合には花を美しく、格調高い姿にいけ上げる方法として一応の作法のようなものがあり、それが”一花五葉”と呼ばれるものです。 とは言えそこは草月ですから、これに囚われず好きなようにいけることもまた自由です。

写真は挿し口が二箇所ある花器を使って私がいけたものになりますが、左側は一花五葉の手法を取り、右側はビバーナムを花茎に見立ててフリースタイルでアレンジしています。

Sosyu:杜若、ビバーナム

1. "一花五葉"では、一本の花茎に対して手前に三枚組の葉を、花茎を挟んで奥に二枚組を立てて1セットとします。

2. まず、花茎と葉には表(正面)と裏がありますので、それを見極めるところから始めましょう。

3. 花茎は第一苞を手前(正面)にします。杜若の葉はスプーンのようにくぼんでいる側が表、反っている側が裏です。表側を花茎に向け、包み込むような形にします。

4. 三枚もしくは二枚の葉は、葉の先端(剣先、ツメ)が内側に向くようにします。

5. 葉の並び具合を調整したい場合、一度葉をばらし(外側からそっと外す)、改めて好きなバランスで組み直します。これを"葉組み”と言います。この時に葉の表裏がごちゃ混ぜにならないように注意し、剣先についてもあべこべにならないよう気をつけます。

6. いける順番としては、最初に花茎を立て、次に葉を入れます。花茎と葉の間には指一本入る程度の間隔をとります。

7. 菖蒲は花が葉よりも高く、杜若は花が葉よりも低くと言われますが、5月5日の節句を基準に花の成長を表現して、いける時期によって花茎の高さを工夫する考え方もあります。

8. 剣山が見えてしまう場合には、他の花材や小石で剣山を隠して足元を整えます。

 

ということで、S.I.さんにも実際にいけて頂きました。残念ながら、花が全く咲いていないので少し寂しい気がしますが、青々とした葉の美しさは感じて頂けると思います。

S.I.さん:杜若

 

続いて、十文字留めを自由花型で応用する練習をして頂きました。ナナカマドを姿良く立てるのに、基本型で散々学んだ留めの技法がきっと役に立つはずです。

S.I.さん:ナナカマド、カンパニュラ、ドラセナゴッド

薄紫のカンパニュラが入っていますが、緑が主役と言っても良いような初夏の風情を感じる作品になりました。

花器の形や作品によっては、十文字ではなく一文字留めにしても良いでしょう。自由花型だからこそ、留めの技術の有効性が良くおわかりになったのではないでしょうか。

 

 

 

 

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