花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

連花とは何か?

2022年9月11日、草月会館にて東京北支部研究会が開催されました。

川名哲紀先生を講師にお迎えし、「連花とは何か?」をテーマにご指導いただくという企画です。

 

「連花(れんか)」とは、三代目・勅使河原宏家元により生み出されたインスタレーションスタイルで、和歌の「連歌(れんが)」のように複数人で催される一種の遊びと言われています。連歌が上句を受けて、別の人が下句を詠むのを基本とするように、連花でもいけ手からいけ手へと感性が伝播していく様が醍醐味です。

ただし最近では草月人であってもこの連花の修練経験がある人はそう多くないでしょう。私自身も大昔に師匠である尾中千草先生からお話を伺ったことがあるだけで、実際にそれと意識して稽古をしたことはありません。

そんな幻になりつつある「連花」を東京北支部は2024年の支部展で取り上げようと計画しています!

今回の研究会はその手始めとして企画されたものですが、ありがたいことに70名近いご参加があり、満員御礼につき2教室に分かれて実施となりました。

川名哲紀先生によるデモンストレーション作品

上:柿、豆柿、ビバーナム、スズバラ、アマランサス、アランセラ、吾亦紅
下:ヤツデ、セローム、ダンドク、アロカシア・スティングレイ、ヒバ、トクサ

 

各教室、川名先生の力強い作品を起点に、そこからインスピレーションを得て花器・花材・場所を選び、連花に挑戦していただきました。研究会では諸々の制約があるため、一人の持ち時間を25分とし、数人ずつ3回に分けて制作していただく方法を取りましたが、思った以上に皆さんの手際が良く、むしろ時間を持て余す方がいらっしゃるくらいで、20分そこそこで仕上げたとは思えない力作が並び大感激。

私自身は運営委員(しかも企画担当)ということで、正直、会の進行の方に気が行ってしまい、自分としては不満の残る作品に・・・残念。それでも、前の作品から何かを感じ取ろうという意識と、そこから生まれる自分の内なる反応に向き合い、それを作品に投影するという一連の作業はとても刺激的で勉強になりました。
因みに、川名先生のグリーンで統一した野生的な初作、続いて2番手の方の黒の鉄花器にグリーンを合わせたシックな作品を受けて、3番手の私は色で変化をつけたいと考えました。ただし乾いた大地(土)を感じさせるような淡い色調の単色で。熱帯雨林から砂漠へ…のイメージでしょうか。花材は一人2杯と言わず、できればもう1種加えて遊びを入れたかったところです。企画担当として次回以降の反省点としたいと思います。

Sosyu:まゆみ、キングプロテア

 

実に大勢の方々のご参加をいただき、裏方としては嬉しい悲鳴をあげています。ありがとうございました。