花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

今月のお稽古:14、26 Oct 2026

毎年10月は色々な行事が重なり、体力も気力もギリギリの綱渡りになります。そんなさなかではありましたが、Dさんからの体験レッスンのお申し込みを受けて、もう一踏ん張り!と気合いを入れて、抜かりのないよう準備を整えてお迎えしました。

基本型・盛花は他教室で体験なさったというので、今回はDさんのご希望も考慮し、自由花に挑戦していただきました。レッスン内容は技術的なことに偏り過ぎず、まずは花に触れ、花を扱う楽しさを感じていただくことを第一に心がけました。

花材はオレンジ色のケイトウと、黄色い花が咲いているヒペリカム、ヒリュウシダです。ビタミンカラーではありますが、どことなく和の風情も感じられる組み合わせなので、選んでいただいた竹籠との相性も悪くありません。素敵に仕上がりましたよ。さて、楽しんでいただけたでしょうか?

D.Y.さん:ケイトウ、ヒペリカム、ヒリュウシダ

 

 

続いてSさんとTさんの作品をご紹介します。こちらのヒペリカムはDさんが使用された花つきのものとは違い、赤く色付いた紅葉が魅力です。今回お二人には複数の花器を使っていける練習をしていただきました。

 

まずはSさんですが、タイプの異なる二つの花器を選ばれました。どっしりとした水盤と足つきの鉄花器の組み合わせはなかなかモダンで素敵です。またハロウィンが近いこともあり、アクセントに添えたフォックスフェイスに遊び心があります。高低バランスも絶妙で、一つの作品とした時に前後左右にゆったりと広がりが感じられる点も良いですね。

S.E.さん:紅葉ヒペリカム、カラー、フォックスフェイス、ユーカリ

 

Tさんはフォックスフェイスは使わずに、スッキリと品良く仕上げました。ヒペリカムの葉の色づき具合を観察し、低い位置に赤を集中させるなどよく考えられています。また今回のカラーはとても華奢で扱いが難しかったようですが、あの手この手の工夫を凝らして上手くまとめました。手前を低く抑えたことで大きな空間がうまれ、全体として非常にダイナミックな作品になりました。

T.M.さん:紅葉ヒペリカム、カラー、ユーカリ

 

これから紅葉素材だけでなく、実ものなど季節感あふれる花材が増えてくることでしょう。最近は暑い時期が長いために秋が短く感じられますが、せめていけばなでは秋の風情をしっかりと味わいたいものです。

 

 

第107回 草月いけばな展

現在、日本橋高島屋にて草月いけばな展が開催中です。既に前期3日間の展示を終え、今日から後期が始まりました。第107回となる同展のタイトルは「いける。生きる。」で、1階エントランス、会場第2室の壮大な家元作品はいつもながら圧巻です。

 

勅使河原茜 家元

 

 

また、特別エリアでは茜家元作の花器に44名(各期22名)の作家が花をいけるという魅力的な企画も用意されています。

前期「勅使河原茜の花器にいける」

 

家元出品のもと第107回草月いけばな展「いける。生きる。」が開催されます | いけばな草月流

 

 

前期に出品した私は無事に展示を終えて、今はホッと解放感に浸っているところです。

今回はいつもと少しばかり趣向を変えて、枯れバショウのユニークな形を発想の原点に遊んでみました。お陰様で嬉しいご感想をたくさん伺うことができて、挑戦した甲斐があったな・・・と、疲れも吹き飛ぶ思いです。

中村 草朱:枯れバショウ、フォックスフェイス、モンステラ、カイヅカイブキ

 

幸運にもお隣が東京西支部の野外展や様々な場面で大変お世話になっている大先輩の岩崎生翠先生で、とても心強い思いで会期を乗り切ることができました、感謝。

左:岩崎 生翠、右:中村 草朱

 

お忙しい中、ご来場くださいました皆さまには、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。



先週のお稽古:8 Oct 2026

先週のT教室は、久しぶりにYさんとTさんのお二人揃ってのお稽古でした。

 

Yさんには第四応用立真型に挑戦していただきました。いつもは主枝三本で骨格を形作るところ、真と控の二本で構成する花型です。副がないことで間延びしてしまっては作品が台無しですし、かといって従枝が副に見えるような中途半端なものでもいけません。

簡単なようで実はなかなかに手強い花型ですが、綺麗にまとまりましたね。真のソテツが絶妙のカーブを描いて洒落ていますし、蘭とソリダゴも上手に入っていますよ。

Yさん:ソテツ、蘭、ソリダゴ

 

 

Tさんの自由花はスッキリとした作品に仕上がりました。モスグリーンの花器から深緑のソテツと黄色に花咲く前のソリダゴをスッと立てて、緑のワントーンでまとめています。Tさんの頭の中には鳥のイメージがあったようで、羽ばたく翼のような伸びやかさも感じます。

シンプルな構成だけに枝の位置やボリュームがほんの僅かに違うだけで作品の印象が変化します。そこが難しく悩ましいところですが、安易に蘭を足さずに初志貫徹、自分のアイデアを貫いたのが良かったのではないでしょうか。頑張りましたね。

Tさん:ソテツ、ソリダゴ

 

先週のお稽古:28 Sep、2 Oct 2026

先週はお三方がお見えになりました。

 

初めにS.E.さんの作品からご紹介します。

今回は「植物を編む」というテーマに取り組んでいただきました。行李柳で大きく展開したところに三つ編みにしたキキョウランをアクセントに添えています。白い花器にピンクのデンファレとキキョウランの緑が映えて、とても爽やかですね。

こちらはかなり大きな作品に仕上がりました。特別な花材や花器がなくても、やり方次第で立派な中作、大作を制作することができる訳です。大作を手がけることは自信にもつながりますし、たまには空間を贅沢に独り占めして、大胆にいけるのも悪くありませんね。

S.E.さん:行李柳、デンファレ、キキョウラン

 

 

月が変わり、T.Y.さんとS.I.さんがいらっしゃいました。

まずT.Y.さんですが、直か留めのお稽古をしていただきました。もう自由花のお稽古に進まれて久しいので、改めて直か留めの練習と言われても今さらに感じられるかもしれませんが、枝を狙った位置に安定して留めることに特に注力していけるというのが今回の課題です。直か留めではなんと言っても矯めの技術が重要ですし、花材を挿し入れる順番にも工夫が必要です。基礎中の基礎ですが、枝先の切り方は的確かどうかなど、一つ一つ確認しながらいけていただきます。

行李柳に動きがあって、カッコいい作品になりました。

T.Y.さん:行李柳、ケイトウ、モンステラ

 

 

S.I.さんの自由花もダイナミックに仕上がりました。

2次元の写真では作品の立体感が十分に伝わらず残念ですが、実物はたっぷりと空間を抱き込むように柳を前後に広げ、その伸びやかなラインが作品の肝になっています。また枝先の微妙なニュアンスもとても丁寧に作られています。

線で風を感させるような作品ですから、花材のモンステラはあえて使わず、柳とケイトウの2種で仕上げた判断も良かったのではないでしょうか。

S.I.さん:行李柳、ケイトウ、モンステラ

 

 

 

今週のお稽古:22、24 Sep 2026

今週は自宅教室K.H.さんと、T教室T.T.さんのお二方がお稽古されました。

 

はじめにK.H.さんですが、投入の練習をしたいのはやまやまなれど花材が揃わず・・・で、今回は第二応用立真型の盛花に取り組んでいただきました。せっかくなのでハランに一工夫加えて、モダンなアレンジに挑戦です。

葉ものの細工には折る・割く・丸める・編む・など、色々なバリエーションがありますが、K.H.さんは葉の真ん中に切り込みを入れてから捻る要領で、流動的な形を作り出しました。素敵に仕上がりましたね。

こうした作業の場合、完成形のイメージにこだわり過ぎると思うようにいかないものです。むしろ成り行きに任せて、偶然に生まれた形の中から "これだ!"と感じるものを見逃さず掬い上げて、それを作品に取り入れてみてください。手仕事は失敗も含めて数をこなした分だけ経験値が上がり、後の財産になります。

K.H.さん:ハラン、リンドウ、スプレーカーネーション

 

 

続いてT.T.さんは、複数花器を使った作品です。ペアになった2組の花器を組み合わせて、合計4個の花器での制作です。

どの順番で、どの位置、どの角度に花器を配置するかがポイントで、あれこれ試行錯誤の結果このような形になりました。4つの花器が連なって生まれる造形の面白さが引き立つよう、リンドウは白と青の”色”を添える程度に留め、あえて控えめにしています。

キリンの親子が仲良く向き合っているようにも見えたりと、どことなくユーモラスで可愛い作品になりました。

T.T.さん:モンステラ、リンドウ

 

今週のお稽古:17、18 Sep 2026

今週もお稽古花材にススキが登場、まだ蒸し暑さは残るものの、秋を感じる場面が多くなってきました。

さて「十五夜」と言えばススキですが、その由来について少し調べてみました。

古くから日本では背の高い稲穂は神様が降り立つ「依代:よりしろ」であると信じられてきましたが、中秋の名月(旧暦の8月15日)の時期にはまだ穂が実っておらず、そこで稲穂の代わりに形の似たススキを供えたというのが起源と言われているそうです。

また、ススキには邪気を払う力があるとされ、災いから収穫物を守り、次の年が豊作となるよう祈願する意味も込められているのだとか。

私ときたら、そんな謂れも知らずにススキを見るとお団子が頭に浮かぶという、なんとも食い意地の張ったことでお恥ずかしい限りです、苦笑。

 

と、前置きが長くなりましたが、いつものように生徒さんの作品紹介に進みたいと思います。

まず、T教室のYさんですが、第一応用立真型でいけていただきました。今回は練習用の丸水盤ではなく、瓢箪のようなくびれのある花器を選んでみました。お馴染みの花型でも少し工夫をすると断然風情が出るものです。素敵な作品になりました。

Yさん:鷹の羽ススキ、ケイトウ、孔雀草

 

次にご紹介する自宅教室のSさんは竹籠をセレクト。これは王道というか、反則というか(笑)、合わないはずがありません! 更に鎌倉彫りの敷板も合わせてみました。こちらはSさんがお待ちになった品で、ご友人のお祖母様の手によるものとのこと。紅葉と銀杏の柄が季節感を更にアップしてくれます。これでお月見の準備はバッチリですね!

Sさん:鷹の羽ススキ、ケイトウ、孔雀草

 

 

今週のお稽古:5、15、16 Sep 2026

自宅教室、お三方の作品をご紹介します。

まずS.I.さんの自由花です。枝先の葉がアクセントの赤芽柳と大輪のガーベラでいけていただきました。円形の花と花器の丸い形を呼応させるアイデアですね。少々気の毒だったのが、いけているうちにガーベラの花びらがみるみるのけぞり丸まってしまい、かなりいけにくかったご様子。どうやら急激に水が揚がった時にしばしばこうなるようで、必ずしも花の鮮度(が悪い)による現象ではないとのこと(by Ai先生)。

いずれにせよ、花展など本番で使用する際には心に留めておかなくてはいけませんね。何事も経験、勉強ですね。

S.I.さん:赤芽柳、ガーベラ、ドラセナゴッド、アスパラガス

 

 

お二人目はT.Y.さんです。枝ものはS.I.さんと同じく赤目柳、それにリンドウとアスターを合わせて秋らしい一作になりました。毎度のことながら、写真では前後の厚み、奥行きが消えてしまうのでわかりにくいのですが、実物はしっかりと厚みのある立体的な作品に仕上がっています。その上で、足元、水際がスッキリとまとまった作品というのは、やはり見ていて気持ちの良いものです。この点については流派を問わず共通する美意識ではないでしょうか。

T.Y.さん:赤芽柳、リンドウ、アスター、クルクマ(葉)

 

 

最後はK.H.さんで、今回は第三応用に挑戦していただきました。綺麗な斑入りのススキが来ましたので、花器もいつもの丸水盤ではなく縦縞模様の入った三角形の水盤を使い、ちょっとオシャレな雰囲気を出してみました。三方正面の花型なので両サイドからの見え方にも気を配りつつ、素敵な作品になりました。

今年の十五夜(中秋の名月)は9月25日とのこと。月と花とを眺めながら、お酒が捗りそうです、笑。どうかお天気になりますように!

K.H.さん:鷹の羽ススキ、ケイトウ、孔雀草、アスパラガス