花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

先週のお稽古: 2 Oct 2023

先週、自宅教室にT.M.さんとU.N.さんがいらっしゃいました。お二人には基本立真型投入をお稽古して頂きました。

 

まずはU.N.さんの作品から。今回は縦の添え木留めでいけて頂きました。久しぶりの投入で、勘を取り戻すのに少しばかり苦戦されたようですが、綺麗にまとまっています。主枝の角度がしっかりと決まると、やはりメリハリが効いて素敵ですね。手前に黄色味の帯びたゴッドの葉を持ってきたのも良いと思います。

U.N.さん:サンゴミズキ、リンドウ、ドラセナゴッド

 

続いてT.M.さんは投入初挑戦です。こちらも添え木留めでいけて頂きました。

初めてにしては上出来の作品です。写真を撮る際に若干"真"が傾いてしまったかもしれませんが、それでもしっかりと入りました。 添え木の細工も難なくこなされて、ハサミの扱いがお上手なのに驚きます。この調子で頑張ってください。

T.M.さん:サンゴミズキ、リンドウ、ドラセナゴッド

 

草月では投入の留め技法として主に「縦の添え木留め」「十文字留め」「直留め」を中心にお稽古します。

「添え木留め」の場合、まず花器の高さ程度の添え木を余分に用意する必要があります。そして、その添え木と主枝とを互いに噛み合わせるよう半分に割り込みを入れるので、枝にはある程度の太さが必要になります。これらの条件がクリアできたならば、矯めの効かない花材であっても角度をつけていけることが自在になり、優秀な留め技法と言えます。

 

「十文字留め」は花器の内側にコミと呼ばれる木を十字に渡して細工にします。突っ張り棒のような要領で留めるため、ガラスのようなデリケートな素材の花器、骨董品のような高価な花器は避けなければいけません。コミをかける口の部分が平行で、負荷がかかっても耐えられる丈夫な花器であることが使用条件です。また、添え木留めに比べて角度をつけて(斜めに)挿すことは制限されるため、矯めの効かない花材には少し不向きです。

その日の花材と良く相談して、どちらの細工が相応しいかを判断しましょう。

 

「直留め」をテキスト1・2で用いることはほぼありません。ですが自由花になると一転、最も用いられるのがこの直留めです。そもそも変形花器などでは添え木や十文字という細工がかけられないケースがほとんどですからね。

それぞれに一長一短がありますので、適宜使い分けて頂きたいと思います。