花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

杜若(かきつばた)

一昨日のお稽古は杜若(かきつばた)でした。

この季節に花菖蒲という花材は珍しくありませんが、杜若を手にする機会はぐっと少ないのではないでしょうか。事実、私自身お稽古場で杜若を使ったのは今回が初めてです。

杜若の葉は菖蒲に比べていくらか幅広で、ふくよかな印象です。花菖蒲は男性的、杜若は女性的と言われることもありますからね。

 

花茎と葉のバランスは、花菖蒲は花を葉よりも幾分高くし、杜若は花と葉を同じくらいか、花を少し控えていけるのが基本になります。(流派やいける季節によって多少違いがあります。)

花(蕾)はいずれの場合も第一花苞を正面にしていけます。こうすることで開花した時に花びらが手前にたれて形良く見えます。立ち姿が美しく見えるよう「一花五葉(いっかごよう)」の作法に習い、一本の花茎を中心に正面手前に三枚、奥に二枚の葉で花を挟むようにしていけます。この時に葉の表側が花茎に向かうようにします。

葉組みは葉の表裏を揃えてツメと呼ばれる葉の先端が内側を向くようにします。また、三枚で組んだ場合には中央の葉を外側の葉より低くするのが一般的です。

 

草月ではこうした細かな決め事には余りこだわらずに自由にいけて良いとされていますが、それでも王道のいけ方をしっかりと習得しておくことは大切なことです。 その上で、草月らしい遊び心のあるユニークな作品にも大いにチャレンジして頂きたいと思います。

 

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Sosyu:杜若、フトイ