花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

レリーフ

前回の「草月いけばな展」(2019年3月20〜25日:日本橋高島屋)では初の壁作品を制作しました。第100回というメモリアルな花展で、いつにも増してユニークな企画が取り入れられた回でした。壁作品は様々な大きさの作品をパズルのように組み合わせて巨大な壁に一同に展示するという試みで、一番小ぶりなレリーフにエントリーした私は迫力のある作品に挟まれ控えめに参加です・笑。
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試験管、ビニールチューブ、松ぼっくり、クッションマット、水引
展示期間中はメンテナンス不可ということで、その点を考慮し素材を選択、試験管とビニールチューブという透明な素材を中心に、松ぼっくり、クッションマット、赤の水引で制作しました。
決められた寸法の土台(板)にどうパーツを配置するか。ではそのパーツを具体的にはどうやって土台に固定するか。ポイントは色々ありますが、一番戸惑ったことは制作にかける時間のマネジメントです。出品が決まってから搬入日までの数ヶ月の間に数時間でサクッと仕上げることも、制限時間を目一杯に使ってじっくり作ることも可能な訳です。少しでも良い作品になるよう手を加え、改良を重ねて完成させたいという思いが先行しがちですが、実のところ必ずしも作品の完成度が制作時間の長さに比例する訳ではありません。結局は何のストレスもプレッシャーもなくラフに仕上げた初日の状態が一番良い出来だった!という "あるある" は皆さんもご経験があるのでは?
完成のタイミングはあくまでも自分で判断しなくてはいけません。が、これこそが難しい!!一旦は納得のいく形になったと思い手を止めても、翌日改めて作品を目にすると「ここはもう少しこうなっていた方が・・・」とか「やっぱり最初の方が良かったかしら・・・」とか、迷いだしたら際限がありません。
制作時間の長短に惑わされず、作品自体の完成度を見極める目力がいかに大切かを思い知らされた花展となりました。