2019年9月にリニューアルオープンしたホテルオークラ改め、ザ オークラ東京にて、一般社団法人いけばな協会設立祝賀会が執り行われました。
当初1月末に新年会として開催されるはずでしたが、コロナ蔓延により7月に延期。今回もまた感染拡大のニュースが飛び交う中、どうなるのか?と心配されましたが、なんとか予定通り実施となり、式典・役員認証式の後、休憩を挟んで同協会理事長 勅使河原茜 草月流家元と顧問 小原宏貴 小原流家元によるデモンストレーションが披露されました。
両家元によるデモということで、今祝賀会の目玉イベントはどのようなものになるのかと期待されましたが、想像を超えるサプライズ・パフォーマンスとなりました!
お二人同時に登壇され、左右に並ぶ形で作品制作に臨むという贅沢な試みです。それも、ただ単に隣り合って制作するに止まりません。二の手、三の手の趣向が用意されていたのです!!
まず、作品の骨格となる「芯」をそれぞれに組み上げます。
茜家元は草月の代名詞とも言える竹で制作。竹火山と竹の帯を組み合わせて躍動感を演出します。
一方、宏貴家元は独特の色と形を持った流木と表情豊かな竹の根を組み合わせ、複雑で重厚感のある骨格を組み立てられました。
なんと、ここでお二人が場所を入れ替えて、宏貴家元が竹の「芯」を、茜家元が流木の「芯」を引き継いで作品を完成させるというのです。
それだけではありません。互いに相手方に作品のお題を提示します。更に更に、将棋の封じ手よろしく必ず使ってねという花材を指定します。
整理すると・・・。
茜家元:お題「夏灯」、封じ手「オリエンタルリリー(白)」、芯「流木:宏貴家元作」
宏貴家元:お題「飛翔」、封じ手「グロリオーサ(赤)」、芯「竹:茜家元作」
お二方のお話ぶりからすると、予めの情報交換のようなものはほとんどされていないようで、正真正銘のサプライズ企画だったようです。限られた時間の中で、これ程までにダイナミックな作品が出来上がるとは・・・、流石いけばな界を牽引するお二人ですね。
制作中の写真撮影は不可であったため、完成形のみご紹介致します。
贅沢な時間を有難うございました。
※文中の「しん」の漢字を「真」から「芯」に修正しました。7/30