花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

道具いろいろ

皆さんが「いけばな」を思い浮かべるシーンがあるとするならば、例えば旅館の美人女将が着物姿ではんなり花を生けているとか、どこぞのお屋敷の大奥様がためらいのない鋏さばきを披露するシーンでしょうか? (ドラマの見過ぎ?!)であれば、野外展の現場はその期待を完全に裏切る光景になるかも知れません。

まず野外展は当然ながら屋外での作業です。出で立ちからして180度違います。強い日差しや雨風、虫や泥と戦わなくてはいけませんから、帽子に軍手、首にはタオルという勇ましい姿で作業します。面白いもので、こんなスタイルになると日頃お上品な先生方も少々歩幅が大きくなるような・・・。

道具もしかりです。花鋏を使わない訳ではありませんが、もっと活躍するのはペンチにニッパー、インパクトドライバーにノコギリ、スコップです。

街中この装備でお巡りさんと鉢合わせをしたら、間違いなく職務質問されますね、笑。

草月東京西支部には経験者が多く、皆さん工具の扱いは手馴れたもので玄人はだし、恐れ入りました!という感じです。 今時の華道家は作業着だって着こなせるんです。

 

こんな具合で、野外展の作業は華道のイメージより大分大掛かりになります。が、そうであってもいけばなの心得ある者が集まって作るオブジェですから、下手なものにはならないと自負しています。作品の大きさに関わらず、素材を見極め吟味し、設置する環境・空間を考慮して、斬新で魅力的なものに仕上げるという点では、床の間に花をいけるのと全く違いはありません。

手にする道具と着ているものが少しばかり違うだけで、やることは「いつでも、どこでも」同じなんです。