花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

花鋏いろいろ

生け花で用いる花鋏には二つの型があります。

蕨手、あるいは池坊型と呼ばれる細身のタイプと、古流型と呼ばれる普通の鋏に近い形状のものです。草月流では前者を使います。

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源造の池坊型と古流型花鋏

 

鋏の機能だけを考えればどちらを選んでも構わない訳ですが、まあ芸ごとは型・体裁を大切にするのが常ですから、流派の慣いには従うが良いでしょう。

鋏は使い手に合わせて右利き用、左利き用がありますし、寸法も大小様々あります。素材も鉄やステンレス、セラミックなど色々で、名工の手による一品ともなれば容易には手の出ないものまで、正にピンからキリまでです。

私は東京日本橋人形町にある刃物の老舗「うぶけや」さんの鋏を愛用していますが、切れ味はもちろんのこと、とにかく美しい!! 長く大切に使いたいと思わせるものです。

うぶけや:包丁・はさみ・毛抜き:東京日本橋人形町の打刃物の老舗

 

何事も「形から入る」というのはモチベーションを上げる手っ取り早い方法ですね。良い道具を手にすると、同時に実力も増した気になるものです。はたしてこの思い込みを馬鹿にしたものか?いえいえ、道具に愛着を持ってこそ腕前も上向くのというのは一理あるように思います。少々分不相応であっても形から整える作戦も悪くないでしょう。

矛盾するようですが、以前のブログで初心者には3000円程度の鋏をお勧めしました。安物では長い目で見て "銭失い" になりますが、かと言っていきなり高価なものも必要ないように感じるからです。というのも鋏の扱いに慣れないうちは、刃こぼれやカシメのブレを招きがちで、せっかくの名品を早々にダメにしてしまう恐れがありますから。

奮発してお気に入りのMy 鋏を手にするのは、ある程度の経験を積み鋏の扱いもこなれてきた頃の方が良いでしょう。その時こそ良い道具に宿るオーラでやる気も技量もアップするはずです!