昨日はHさんがいらしてくれました。
今回は花型の基本となる「本勝手」と「逆勝手」のお勉強です。
左手の作品は本勝手、右手が逆勝手で、理論上この2作は鏡で写したように左右対称になっています。
ところで、この2つの「勝手」という考え方は草月に限ったものではないことをご存知ですか? 池坊をはじめ多くの流派にも存在します。というのも、これは床の間の設えから発したものだからです。
池坊の作法を借りると、床の間が座敷の向かって右側に作られていて床柱が床の左手にくる場合には本勝手の花をいけます。
逆に床の間が左側にあり、床柱が右に立つ床にいける際は逆勝手の花ということになります。
もっとも草月は床の間から飛び出したいけばなが原点ですから、このルールは特に指導されません。ですからこれは一般的な作法、床の間にいける時の一つの心得として頭に留めておけば良いでしょう。
草月では枝ぶりや花・葉のつき具合によっていずれの勝手でいけるかを決めます。また、飾る場所も重要なポイントになります。例えば部屋の隅にいける場合などにはどちら側に枝を伸ばした方がバランスが良いかを考えて判断することになります。
つまり、ルールを杓子定規に捉えるのではなく、広い視野でいける場所を観察し、花材と十分に語らってどちらの勝手がより相応しいかを決める訳です。