巨大オブジェの制作ではデザイン案が決まったところでまだまだ机上の産物でしかありません。最終的には二次元（デッサン画）から三次元に変換しなければいけませんから、ミーティングでの焦点は具体的な制作方法へと移り、次に作品模型を作って足りない情報を集めます。
この模型というのが日用品を工夫して作るのですが、なかなか手が込んでいます。
例えば芝生はタオルを緑に染めて表現。竹は菜箸にワイヤーを等間隔で巻き付けて節を表現し、割竹も梱包用の紙テープを使って質感を出します。雑木はメンバーに庭木を提供してもらってという凝りようです。
これは制作手順と設計寸法とを導き出すための言わばシミュレーションです。どういう段取りで組み上げていくのが効率が良く安全か、デッサンを3Dに変換した時にバランスがどうなのか、などなど。実際に作ってみて初めて気づくことがたくさん有りますから、面倒でもこの作業は欠かせません。
と、ここまでは理屈ですが、工作を始めると皆んな童心に返ったように夢中で手を動かします。久しぶりに嗅ぐ絵の具の匂いでノスタルジックになったり、細かいパーツを手に自分がガリバーになったようでもどかしく苦笑いしたりで、ワイワイと結構楽しんでいます。
ちなみに、模型は公園施設「花みどり文化センター」で全作品をご覧いただけます。（展示期間：2019年9月9日〜11月15日）。お時間がありましたら模型と実物の作品とを是非見比べてみて下さいね。
