花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

お袋の味

「お袋の味」と言えば肉じゃがのイメージがありますが、家庭で一番出番の多いメニューはカレーではないでしょうか?

"お家カレー" はレストランや食堂、専門店で食べるカレーとはまた違った美味しさがあり、捨てがたいものです。

昔、日本に住むバングラデシュ人の友人に当時小学生の息子さんがいたのですが、この少年は彼女が作る本場カレー(あちらの料理はバリエーションはあるものの、日本人からすれば全部カレーです・笑)よりも、"日本のカレー" が好きなんだと言って苦笑いしていました。

 

お家カレーの味は市販のカレールーでほぼ決まる訳で、であればどの家庭のカレーも似たような味になりそうなものですが、これが不思議とそれぞれ家の味が存在します。

以前 NHKの番組で、カレールーはそれだけで計算された完璧な味になっているので、そこにソースだのケチャップだのを追加するのは味の調和を壊して逆効果という話しをしていました。が、例えそうだとしても人それぞれ味の好みはあるもので、邪道であろうが皆自分なりの "ちょい足し" を楽しんでいるということなのでしょう。

 

私のレシピは、まず具材を香味野菜とカレー粉で炒めて香りを立てて、次にワイン、野菜ジュース、固形ブイヨン、ローリエ、ジャムを加えて煮ます。

具材が柔らかくなったところで一旦火を止めルーを溶き、醤油、めんつゆ、ソース、塩レモン、チョコレート、インスタントコーヒーなどを加えて味の調整をします。

トロッとしたカレーよりはシャバシャバしたカレーをご飯にたっぷりかけるのが好みなので、ルーはメーカーの分量より少なめに、味が薄い分は好みの調味料で整えています。

特別個性のある作り方でも材料でもありませんが、色々試行錯誤の結果これに落ち着きました。

 

入れる具材も家庭によって様々でしょう。お肉は牛肉、豚肉、鳥肉、ひき肉、シーフードなどがありますが、我が家は豚肉か鳥肉を使います。

野菜はジャガイモを入れる派・入れない派は別れるところでしょうか。私はドロドロカレーが嫌で長年ジャガイモ抜きで作ってきましたが、最近は気分で使うこともあります。ジャガイモが入るとぐっとお家カレーらしくなりますからね。逆にゴボウは風味づけに好んで入れる材料です。

また、食材は切り方によっても味が違ってきますね。ごろっと大きめに切るか、煮込むうちに溶けてしまうよう細かく切るか・・・。

 

まあこんな具合で、カレーは最もシンプルでポピュラーな家庭料理ではありますが、意外に作り手の個性が出る料理なのだと思います。"日本食” と言われるとちょっと抵抗がありますが、それでも「お袋の味」と呼ぶには全く異論ありません。