花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

連花と連歌 時空を超えて part 2

2024年の草月会東京北支部いけばな展は「連花」と「連歌」の二つの花席で構成しました。

連花席では勅使河原宏家元と茜家元の時空を超えた親子共演を起点に、合作、そして個人作へと展開しました。

花器を全て黒の鉄花器で統一したことで、47名の個性がぶつかり合いながらも、全く破綻がありません。むしろ、一連の調和を感じます。それにしても、草月アトリエは色々な形、サイズの鉄花器を制作しているのだなと改めて驚かされます。

草月流 第三代 勅使河原 宏家元(写真)、第四代 勅使河原 茜家元

 

 

 

変わって連歌席の方は、動的空間である連花席に対して、整然と整った静的空間を演出しました。百人一首から選んだ三遍を題材に、各々の想いを作品にしていただきました。

会場中央には竹のオブジェを設置。割竹を天井から吊るし、大きく弧を描かせたシンプルなデザインですが、作品を引き立てつつ邪魔にならない塩梅を考慮して、敢えて控えめに仕上げています。

 

 

今回は会期を2日に絞っての開催となりましたが、大勢の方々にお運びいただき、運営委員一同感激しております。特に「連花をやって楽しかった、またやりたい!」というリアクションに触れると2年間の苦労も報われる思いです。(でも、裏方としては連花はもうお腹一杯です、苦笑)

ご協力いただいた方々には、今一度心よりお礼申し上げます。

 

 

 

sosyu.hatenablog.com

 

 

連花と連歌 時空を超えて

2024年2月11〜12日の2日間にわたり実施された「第13回草月会東京北支部 草月いけばな展(北千住)」はお陰様で盛況のうちに無事終了しました。出品者の皆さま、ご来場くださった皆さま、開催にあたりご尽力いただいた皆さまには心よりお礼申し上げます。

 

今回、私が参加したのは広々としたスペースを贅沢に使っての「連花*」です。タイトルに「時空を超えて」と謳った通り、草月流第三代 勅使河原宏家元の作品(写真)をトップバッターに掲げて、それを受けて茜家元に二番手の大作を制作いただきました。

三番手以降は会場を3つのエリアに分け、合作、個人作・・・とバトンをつないでいく趣向です。連花はあくまでも前のいけ手の作品からインスパイアされて作品を生み出す即興性にその本質がありますから、花器・花材は私たち運営サイドが会場内に用意をし、出品者はその中から自分のイメージに合ったものを選んで、15〜20分を目安に制作するというスタイルで進めました。

私の出番はAグループの2作目で、花材などは選び放題という特典がつきましたが、同時に私の作品が後に続く方々の方向性を左右しかねないというプレッシャーも課せられ、会期前から胃がシクシクと・・・。とにかく考え過ぎても良いことはないぞ!と開き直り、無心でいけました。助手をしてくださった岡戸陽苑先生には本当に感謝です。

 

Sosyu:カイヅカイブキ、着色花材、コデマリ、キウイのつる

 

*連花(れんか)

 

このブログも随分長い間放置してしまいましたが、支部展が終わりやっと余裕がでてきましたので、続けて支部展の様子をご紹介していきたいと思います。乞うご期待!

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日のお稽古:21 Jan 2024

この週末、東京では雪の予報が出ていたので、お稽古もどうなるやら・・・と思っていましたが、結局(少なくとも我が家の付近では)雨が雪に変わることはなく、ホッとしました。僅かでも積もったりすると通勤・通学にも支障が出ますし、やはり東京で雪は歓迎されませんね。

 

そんな冷たい雨の中、S.I.さんがめげずにいらしてくれました。今回は枝ものだけを使っていける練習です。

S.I.さん:レンギョウコデマリミモザアカシア

 

レンギョウコデマリミモザの3種を大きく大胆に踊らせて、とても良いですね。レンギョウコデマリは矯めがきかないので、素材が持つ曲線を生かして使う必要がありますが、その点をきちんと踏まえて、前後左右にリズミカルに枝を遊ばせています。

作品正面の写真(上)では前後に伸びる枝が重なり合って写り、完全に消えてしまいましたが、横から撮影した写真(下)では作品の広がりが良くわかると思います。

背景のスクリーンからもはみ出るような勢いのある作品、これからもどんどん見せて下さい!

 

 

一昨日のお稽古:17 Jan 2024

一昨日はS.E.さんとT.M.さんのお二人が初稽古にいらっしゃいました。花材は女子力がアップしそうなピンクのチューリップです。

 

まずはS.E.さんの作品ですが、横長の構成をテーマにいけて頂きました。両手を広げたようなユキヤナギが大らかで良いですね。この場合、左右の対比に気を配り、単調にならないようメリハリを効かせることが大切です。大胆さと愛らしさの両方を備えた作品になりました。

S.E.さん:ユキヤナギ、チューリップ、スターチス

 

続いてT.M.さん、こちらは応用花型に初挑戦です。今回もまた主枝の真・副・控がしっかりと入りましたね。"主枝は花型法で角度も挿す方向も決まっているのだから、再現するのは簡単"と思われがちですが、実際にはそう定規で測ったようにはいきません。ひと枝ひと枝に特徴と個性のある有機物が相手である上に、残念ながら人間の目測というのは想像以上に当てにならないものですから…。なので、花型図の通りに挿せたならばそれは"ブラボー!"に値する訳です。今後の成長が楽しみです。

T.M.さん:ユキヤナギ、チューリップ、スターチス

 

ところで枝もののユキヤナギですが、咲いている花がちらほらの状態では枝の正面(日表)を見分けるのが少し難しかったかも知れません。そんな時はむしろ日裏の方が見つけやすいものです。今回の場合、無愛想に茶色い木肌が目立つところが裏になります。そして裏(人で言うところの後ろ姿)が作品の正面になることを回避すれば、ひとまず問題ありません。植物をしっかりと観察し、表情豊かなアングルを探し出して作品に活かしましょう。

 

 

 

第13回草月会東京北支部 草月いけばな展

二年に渡り準備を進めてきた草月会東京北支部支部展開催まで、とうとう一月を切りました。

今回は「連花と連歌 時空を超えて」と題して、第三代 勅使河原宏家元が提唱した「即興のいけばな = 連花」に、今一度スポットを当てようという試みです。

手探りの部分も多く、今ここに至っても未確定要素を少なからず抱えている現状で、正直なところ"期待”よりも"不安”の方が優る心境です。とはいえ、これまでに企画した三回の研究会・講習会を通して、できうる限りの布石は打ってきたつもりですから、後は皆さんの記憶に残るような素晴らしい支部展になるよう、まな板の上で祈るばかりです。

 

家元出品のもと東京北支部展が開催されます | いけばな草月流

 

第13回草月会東京北支部 草月いけばな展

「連花と連歌 時空を超えて」

 

会 場:シアター1010(センジュ) 11階ギャラリー

     東京都足立区千住3-92 千住ミルディスⅠ番館(北千住マルイ11階)

       JR常磐線、地下鉄日比谷線、千代田線、東武伊勢崎線北千住駅西口、地下鉄4番出口直結  

会 期:2024年2月11日(日)ー 12日(月・祝)  11:00〜18:00

             ※      2月11日は 11:30より「連花」インスタレーションをライブで実施

        ※  ※  2月12日は「連花」「連歌」ともに作品展示のみ

 

 

 

皆さまのご来場を心よりお待ちし申し上げております!

 

 

 

昨日のお稽古:8 Jan 2024

2024年の初稽古はS.I.さんです。昨年末にいらしてからほんの10日ほどですが、心なしか外の空気が一段と冷たく感じられて、新しい年を迎えたのだな・・・と改めて感じます。

 

さて、今回の花材は新春のお稽古に相応しく椿と水仙です。椿がたっぷりと届きましたので、まずは一種いけに挑戦して頂きました。

手桶形の花器の左口をあけて水を見せています。織部(?)の緑が水を含んだ苔のようで風情があり、なんとも憎い演出です。ずっしりと重量感のある花器なので、もう少し枝を足して作品に厚みを出してみても良いかも知れません。

S.I.さん:椿

 

もう一作は水仙を使っていけて頂きました。今時分にしか出回らない花材なので、一年に一度、"葉組"の練習をするのも悪くないでしょう。素直に入った作品で、好感が持てます。

水仙、椿

 

今年は私自身の初稽古より先にS.I.さんの初稽古で鋏を持つことになりました。

私にとって師匠の元での稽古が欠かせない大切なものなのは言うまでもありませんが、生徒さんと対峙し指導をする側に立つこともまた同じくらい学びが多く、貴重な修練の機会になっています。これからも謙虚さと好奇心を忘れずに、"生徒"としても、"先生"としても、精進したいと思います!

 

 

 

明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます!

Sosyu:根引松、千両、菊、金塗り柳

当初、大王松と蘭の組み合わせで発注していたのですが、入荷した松の状態が余り良くないということで、急遽、根引松、千両、菊、金柳という一番オーソオドックスな組み合わせになりました。折角なので松の根も見せつつ、久しぶりに盛花です。草月のオリジナル水盤は軽量のプラスチック製ですが、格調高い花に合わせると漆器のようにも見えて、悪くありません。

 

 

昨年は色々な物ごと(物理的な"物"と、決断を要する"面倒ごと"の両方)の取捨選択を迫られ、それなりに消耗した一年でした。特に”物"に関しては、実家から持ち込んだ相当量の荷物の整理が未だに手付かずのままなので、今年こそは暇を見つけて片付けて、身の回りをスッキリさせたいと思っています。

また、2月には運営委員を務める草月会東京北支部支部展が開催されるため、その準備がいよいよ大詰めです。2年をかけて進めた企画ですから、是非とも無事に成功させたいと委員一同頑張っています! お一人でも多くの方にご来場いただけると嬉しいです。

 

2024年は干支の龍にあやかり、高みに向かって力強く前進できるよう精進して参ります。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

中村 草朱