花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

尾中千草先生を偲んで・・・

2020年はとうとうコロナに振り回されたまま一年を締めくくることになりそうです。人々の記憶に残るのは東京オリンピックではなく、なんとも言えない閉塞感とマスクの日々に置き換わってしまいましたが、私の記憶にはもう一つ、悲しい出来事が加わりました。

 

2月末、いけばなをイロハから教えて下さった恩師の尾中千草先生が享年105歳でご逝去されました。お年を考えればいつかはその日が来るのだと頭では理解しながらも、非科学的と言われようと先生に限ってはいつまでもお元気で花をいけていらっしゃる!ように思えて疑うことがなかったので、姉弟子から連絡を受けた時はとにかくショックでした。

先生がお亡くなりになられてからは、ご指導頂いたことを一つ一つを思い返し、先生の作品集やご著書に改めて目を通したりしながら、心の内で先生を偲びご冥福をお祈りしてきました。が、この度ご遺族のご厚意で教室の花器を門弟にもお譲り頂けることになりましたので、それを是非皆さんにもご紹介したいと思います。

 

私が選んだのは山吹色が鮮やかなガラス花器。先生がガラスという素材をとても愛していらっしゃったので、迷わずこちらを選びました。小ぶりですがずっしりと重く、どこか懐かしいような、昭和レトロの雰囲気もありキュートです。

今回、ツルウメモドキ南天を合わせてみました。花器の中の枝の見え具合が少々気になりますが、果たして天国の先生はなんと仰るか・・・。久しぶりにご講評を頂く前の緊張感が蘇ってきます、汗。

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Sosyu:ツルウメモドキ南天