花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

昨日のお稽古:26 Dec 2019

昨日は2019年のお稽古納めとなりました。

T.Y.さんのお正月花です。

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T.Y.さん:若松、千両、葉牡丹、柳

ご自宅での本番を想定してお稽古では寸法を大きめにいけて頂きましたが、その分ダイナミックで豪華な作品になりました。

T.Y.さんのおかげで、我が家に一足早いお正月が来たようです。

 

さてお正月花をいける上でのポイントですが、縁起ものということから、奇をてらったデザインよりも安定感のある作品の方が格調高い印象で無難でしょう。

花材としてはやはり松、千両(赤い実もの)は欲しいところです。これに菊、百合、蘭、葉牡丹などを合わせればバッチリです。出来れば玄関などの涼しいところに飾って頂くと、花持ちが良く、長く楽しめます。

暖房の効いた部屋の場合には、せめてエアコンの風が当たらないところを選びましょう。また、水も温まりやすいので、こまめに入れ替えたいものです。

 

松はいける前に茶色くなった葉を取り除きます。手についた松ヤニはベンジンや除光液で取ることができますが厄介なものですから、ガラス花器や高価な花器は避けた方が良いでしょう。また花鋏にもヤニがつきますので、いけた後のお手入れは忘れずに!

 

千両は実の落ちた後の軸の部分は取り除きます。葉は綺麗に洗って汚れを取り、極端に小さかったり大きかったりする葉や折れた葉も間引きます。こうすることで実の赤と葉の緑が際立って美しくなります。

 

菊は師匠のお言葉を借りるなら「首長美人」が良いでしょう。花に極近いところの葉を取り除くことで、菊の首の部分が品良く立ち上がり美しい姿になります。こちらも折れた葉などは取って下さい。

 

百合、蘭、葉牡丹はいける時の気配りだけでなく、日の経過に合わせた手入れも必要です。

花が時期を過ぎて色が悪くなったり萎れてきたら順次取り除きます。早めに取ることで蕾まで綺麗に咲きます。

また百合は花粉にも気を付けましょう。花が開ききる前に雄しべを取る時には割り箸が便利です。

 

葉牡丹はとても日持ちの良い花材です。外側の葉が傷んで変色してきたら一枚ずつ剥がし取り除きます。注意点としては、日が経つにつれ成長して茎が長くなっていきますので、作品のバランスを考えて、必要があれば改めて短く切っていけ直すことをお勧めします。

 

最後に、いけるタイミングについて。

地方によって作法が異なるかもしれませんが、一般的に言われるのは、12月29日は「九」が「苦」を連想し嫌がられます。また、「一夜飾り」と言って31日にいけるのも好ましくないとされています。

皆さんもどうぞ気持ち良く新年の準備をして下さいね!