花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

一昨日のお稽古:17 Jan 2024

一昨日はS.E.さんとT.M.さんのお二人が初稽古にいらっしゃいました。花材は女子力がアップしそうなピンクのチューリップです。

 

まずはS.E.さんの作品ですが、横長の構成をテーマにいけて頂きました。両手を広げたようなユキヤナギが大らかで良いですね。この場合、左右の対比に気を配り、単調にならないようメリハリを効かせることが大切です。大胆さと愛らしさの両方を備えた作品になりました。

S.E.さん:ユキヤナギ、チューリップ、スターチス

 

続いてT.M.さん、こちらは応用花型に初挑戦です。今回もまた主枝の真・副・控がしっかりと入りましたね。"主枝は花型法で角度も挿す方向も決まっているのだから、再現するのは簡単"と思われがちですが、実際にはそう定規で測ったようにはいきません。ひと枝ひと枝に特徴と個性のある有機物が相手である上に、残念ながら人間の目測というのは想像以上に当てにならないものですから…。なので、花型図の通りに挿せたならばそれは"ブラボー!"に値する訳です。今後の成長が楽しみです。

T.M.さん:ユキヤナギ、チューリップ、スターチス

 

ところで枝もののユキヤナギですが、咲いている花がちらほらの状態では枝の正面(日表)を見分けるのが少し難しかったかも知れません。そんな時はむしろ日裏の方が見つけやすいものです。今回の場合、無愛想に茶色い木肌が目立つところが裏になります。そして裏(人で言うところの後ろ姿)が作品の正面になることを回避すれば、ひとまず問題ありません。植物をしっかりと観察し、表情豊かなアングルを探し出して作品に活かしましょう。

 

 

 

第13回草月会東京北支部 草月いけばな展

二年に渡り準備を進めてきた草月会東京北支部支部展開催まで、とうとう一月を切りました。

今回は「連花と連歌 時空を超えて」と題して、第三代 勅使河原宏家元が提唱した「即興のいけばな = 連花」に、今一度スポットを当てようという試みです。

手探りの部分も多く、今ここに至っても未確定要素を少なからず抱えている現状で、正直なところ"期待”よりも"不安”の方が優る心境です。とはいえ、これまでに企画した三回の研究会・講習会を通して、できうる限りの布石は打ってきたつもりですから、後は皆さんの記憶に残るような素晴らしい支部展になるよう、まな板の上で祈るばかりです。

 

家元出品のもと東京北支部展が開催されます | いけばな草月流

 

第13回草月会東京北支部 草月いけばな展

「連花と連歌 時空を超えて」

 

会 場:シアター1010(センジュ) 11階ギャラリー

     東京都足立区千住3-92 千住ミルディスⅠ番館(北千住マルイ11階)

       JR常磐線、地下鉄日比谷線、千代田線、東武伊勢崎線北千住駅西口、地下鉄4番出口直結  

会 期:2024年2月11日(日)ー 12日(月・祝)  11:00〜18:00

             ※      2月11日は 11:30より「連花」インスタレーションをライブで実施

        ※  ※  2月12日は「連花」「連歌」ともに作品展示のみ

 

 

 

皆さまのご来場を心よりお待ちし申し上げております!

 

 

 

昨日のお稽古:8 Jan 2024

2024年の初稽古はS.I.さんです。昨年末にいらしてからほんの10日ほどですが、心なしか外の空気が一段と冷たく感じられて、新しい年を迎えたのだな・・・と改めて感じます。

 

さて、今回の花材は新春のお稽古に相応しく椿と水仙です。椿がたっぷりと届きましたので、まずは一種いけに挑戦して頂きました。

手桶形の花器の左口をあけて水を見せています。織部(?)の緑が水を含んだ苔のようで風情があり、なんとも憎い演出です。ずっしりと重量感のある花器なので、もう少し枝を足して作品に厚みを出してみても良いかも知れません。

S.I.さん:椿

 

もう一作は水仙を使っていけて頂きました。今時分にしか出回らない花材なので、一年に一度、"葉組"の練習をするのも悪くないでしょう。素直に入った作品で、好感が持てます。

水仙、椿

 

今年は私自身の初稽古より先にS.I.さんの初稽古で鋏を持つことになりました。

私にとって師匠の元での稽古が欠かせない大切なものなのは言うまでもありませんが、生徒さんと対峙し指導をする側に立つこともまた同じくらい学びが多く、貴重な修練の機会になっています。これからも謙虚さと好奇心を忘れずに、"生徒"としても、"先生"としても、精進したいと思います!

 

 

 

明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます!

Sosyu:根引松、千両、菊、金塗り柳

当初、大王松と蘭の組み合わせで発注していたのですが、入荷した松の状態が余り良くないということで、急遽、根引松、千両、菊、金柳という一番オーソオドックスな組み合わせになりました。折角なので松の根も見せつつ、久しぶりに盛花です。草月のオリジナル水盤は軽量のプラスチック製ですが、格調高い花に合わせると漆器のようにも見えて、悪くありません。

 

 

昨年は色々な物ごと(物理的な"物"と、決断を要する"面倒ごと"の両方)の取捨選択を迫られ、それなりに消耗した一年でした。特に”物"に関しては、実家から持ち込んだ相当量の荷物の整理が未だに手付かずのままなので、今年こそは暇を見つけて片付けて、身の回りをスッキリさせたいと思っています。

また、2月には運営委員を務める草月会東京北支部支部展が開催されるため、その準備がいよいよ大詰めです。2年をかけて進めた企画ですから、是非とも無事に成功させたいと委員一同頑張っています! お一人でも多くの方にご来場いただけると嬉しいです。

 

2024年は干支の龍にあやかり、高みに向かって力強く前進できるよう精進して参ります。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

中村 草朱

 

今日のお稽古:28 Dec 2023

2023年のお稽古納めは予告通りお正月花で、T.Y.さんとS.I.さんがお見えになりました。普段、顔を合わせる機会のないお二人ですが、今回は同じ花材をセレクトされたこと、また私のデモンストレーションをお見せしたかったこともあって、お時間を合わせていらして頂きました。

 

まず、T.Y.さんの作品からご紹介します。
木瓜を主役に水盤でおいけになりました。立派な枝振りを上手に活かしていらっしゃいます。水面もたっぷり見せて清々しく美しいですね。お正月を迎える頃には木瓜と百合が華やかな紅白になることでしょう。とても素敵です。

T.Y.さん:木瓜、黒松、鉄砲百合、金塗り柳

 

続いてS.I.さんの作品です。こちらは同じ花材ですが、松を背高く配して投入でおいけになりました。今回の松は若松に比べて余り長さがなかったので、接木をして高さを出しました。また、頭が重い素材なので、横一文字とワイヤーを使ってしっかりと固定しています。お正月早々に松が傾いて作品が崩壊してしまうような不吉なハプニングは断固阻止したいですからね、笑。こちらも百合が咲き始めるとグッとゴージャスな印象になるでしょう。お正月花定番の千両や南天などの赤を入れていませんが、かえって品良くスタイリッシュに仕上がっています。

S.I.さん:黒松、鉄砲百合、木瓜、金塗り柳

 

百合は開花した時の様子を想像しながら構成しなくてはいけない点が難しいところです。今日の段階では少し地味かな?と感じるかも知れませんが、年始には見頃になるのではないでしょうか。もし花が開いた時にイメージと違った場合(多すぎる、花の向きが違うなど)は、億劫がらずに手直しをしましょう。

 

いかがでしょう? 二作ともどこに出しても恥ずかしくない立派なお正月花になりましたね。今年も一年、本当にお疲れさまでした。来年も引き続き楽しく、共に精進して参りましょう!

 

 

 

 

昨日のお稽古:24 Dec 2023

Merry Christmas!!

 

イブの昨日、S.I.さんがお稽古にいらっしゃいました。花材はクリスマスを意識したグリーン(ユーカリ)・赤(ガーベラ)・白(霞草)の取り合わせということで、今回は「場面を想定して」をテーマにお稽古して頂きました。

 

S.I.さん:ユーカリ、ガーベラ、霞草

今回の花材のように、無造作に一まとめにしただけでもなんとなく格好のついてしまうような組み合わせの場合、オリジナリティーのある作品に仕上げることは意外に難しかったりします。では、ありきたりの"花束風"から魅力的な"いけばな"に進化させるにはどうすれば良いのでしょうか?

手っ取り早い方法は、1.シンメトリーを避け、アシンメトリーに構成すること、2.疎密をつけること、3.空間(間合い)を大事にすること、でしょう。

S.I.さんの手直し前の作品はバランス良く、文句なく綺麗な作品でした。が、いけばなとしては少々綺麗に整い過ぎていて、"あそび"の要素がもう一つ欲しいな・・・という印象でした。

そこで、作品の中で最も気に入っている売りポイントを引き立てるよう、あえて調和を崩してみました。左に伸びるガーベラの表情がとても素敵でしたので、その部分がより映えるように背後のユーカリを剪定。次にインパクトのある赤の配置を工夫しました(3点に分散していたものを、1輪と2輪の2点に変更)。

 

いかがですか?こんな素敵な花のある空間ならば、クリスマス気分もますます盛り上がる!というものです。

 

sosyu.hatenablog.com

 

 

次回は今年のお稽古納めで、正月花のお稽古です。乞うご期待!

 

今年のクリスマスは・・・

 

今年のクリスマスはリースではなく、ガーランド風の飾りつけにしてみました。

ガーランドとは、紐状の飾りをいうようなので、今回のこれは厳密にいうと少し違うかもしれません。サンゴミズキ、赤目柳、イブキ、メラレウカ、カンガルーポーはお稽古で使用した花材を再利用です。

一回り小ぶりの飾りは友人に、最後に残った材料をひとまとめにしてスワッグも・・・。

Sosyu:サンゴミズキ、赤目柳、ヒムロスギ、カヤ、カンガルーポー、イブキ、サンキライ、メラレウカ、晒しヤマシダ、コットンフラワー

 

こちらは生徒さんの作品です。お稽古の後にSさんはスワッグを、S.I.さんはガーランドを作ってお帰りになりました。

Sさん:サンゴミズキ、赤目柳、ヒムロスギ、カヤ、ユーカリヒペリカム、サンキライ

 

S.I. さん:ヒムロスギ、カヤ、イブキ、ユーカリ、メラレウカ、パンパスグラス、コットンフラワー、サンキライ、ドライヒペリカム、サンゴミズキ