先週の自宅教室はお三方がお見えになりました。
初めにI さんの作品からご紹介します。目を引くような冒険はありませんが、その分、間違いのない安定した美しさがありますね。色、形のシンプルな花器もこの作品には合っています。
「木瓜は矯めがききますよ」と声をかけると、「矯めて作られた(人工的な)線は余り好きではないので・・・」との返答。好みはその人の個性でもありますから否定はしませんし、ご自身の目指す作品に近づけるよう、サポートするのもやぶさかではありません。
ただ、誤解をして頂きたくないのは、「矯める」技術は枝を折り曲げてカクカクと角度をつけるだけのものではありません。元々枝にくせがあり曲がっているものを矯めて真っ直ぐに矯正したり、花や葉の向きを修正したり、また角度をつけて枝を挿し入れる際にしっかりと留める細工としても矯めの技術は欠かせません。そういう意味で、矯めに向いた花材にあたった時には練習のチャンス!と思っていただけると良いですね。
続いてTさんの作品です。今回は第二応用に挑戦していただきました。
Tさんの木瓜は葉も花も少々控えめでしたので、そんな時は大寸法ではなく標準寸法でも良かったかも知れませんね、ごめんなさい。(ご自宅でいけ直すことを想定して、教室では大寸法を採用しています)
それでもダイナミックな作品に仕上がり、カッコいいです。L字に伸びる二本の木瓜がたっぷりと空間を包み込み、第二応用らしい形になりました。
最後はSさんの作品です。こちらは色々なアングルからの視線を意識していけて頂きました。
写真では奥行きが消えてしまうため間伸びして見えるかもしれませんが、実物はメリハリをつけて枝を散らしていますので、この大らかな構成はなかなか悪くありませんよ。工夫の跡がちゃんと見て取れます、良く頑張りました。