香りが豊かな花は数々ありますが、私の一番のお気に入りはなんと言っても沈丁花です。実家の門扉の脇に咲いていた花なので、ノスタルジックな感傷がいくらか加わっているかもしれませんが・・・。この季節、街中でこの香りに遭遇すると、つい足を止めて深呼吸してしまいます。
お稽古の花材も香りを楽しめるものが増えてきました。今回はフリージアが部屋中とても良い香りです。I.S.さんのお稽古はそのフリージアとモルセラ、スターチスを使い、四方正面の盛花です。
モルセラの先端がキュッとカーブしていて何ともチャーミングです。その動きを上手く作品の表情に生かしていますね。フリージア、スターチスも花が線状に連なり、くさび形をしていますから、その向きをどう配置するかが考えどころです。四方正面なので放射状に展開させるのが定石ではありますが、単調にならないよう花の丈や角度に変化を持たせ、リズミカルにいけたいですね。
なかなか洒落た作品に仕上がりましたよ。この調子で頑張りましょう。