花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

先週のお稽古: 30 Jun、2 Jul 2023

先週の自宅教室にはお二人がお見えになり、それぞれ自由花のお稽古をなさいましたが、丈の長い花材だったこともあり、偶然にも同じ花器を選んでの投入作品となりました。黒に白のストライプが走る細身の形状で、和風にもモダンにもアレンジできる使い勝手の良い花器です。

 

まずは、Uさんの作品から。リヤトリスとブルーファンタジーの紫にヒマワリが良く映えます。そのヒマワリを比較的低いところに置いたことで口元が引き締まり、雲竜柳の伸びやかさが生きましたね。大らかでとても気持ちの良い作品です。

Uさん:雲竜柳、ヒマワリ、リヤトリス、ブルーファンタジー

 

続いてS.I.さんです。

こちらは雲竜柳を扇のように広げたダイナミックな構成です。左手にこれだけ大きく展開させるとなると、右手にもそれと引き合うバランスが必要ということで、ドラセナを放射状に拡げました。稲妻が走ったような柳の複雑な曲線がとても印象的な作品に仕上がりましたね。

S.I.さん:雲竜柳、ヒマワリ、ドラセナ

 

自由花の投入では、基本型で学んだ十文字留めや添木留めを用いるよりも、直留めでいけることの方が多いように思います。直留めの方が簡単(楽ちん、笑)と思われるかもしれませんが、花器の中心線となる"コミ"や"添木"の細工なしに枝を狙った向き、思った位置に留めることは結構難しくて、実は相応の技量が必要なのです。

ですから自由花の練習を重ねることによって、「ああ、ここに支えになるコミがあったらな」とか「添木とかみ合わせにしたら良い立ち姿になりそうなのにな」と、十文字留めや添木留めの有り難みと使い勝手の良さを今更ながら感じるかもしれません。その気づきもまた上達の糧となるはずです!