先日のオータムセミナー2022「創作の秋」では4講座が実施され、その中から東京北支部研究会で講師をご担当頂いた川名哲紀先生による「プラザでしかできないインスタレーション」に参加してきました。
草月会館プラザ、イサムノグチの「天国」を舞台に、下界(屋外)からプラザ最上階の天国へと突き進む生命をテーマにインスタレーションを展開しました。
真紅のエラスティック布(伸縮性のある布)を命の象徴として用い、これをどこにどのくらいの大きさで、どの角度でどんな風に配置するのか・・・参加者全員で意見を出し合いながら制作するグループワークです。
複数人で1つの作品を制作する「合作」はいけばなならではのインスタレーション・スタイルだという川名先生のお話しに続いて、途中お顔を見せて下さった茜家元からもグループワークにおけるコミュニケーションの大切さ、相手の考えをきちんと理解し受け止め、同時に自分の思いもしっかりと伝える、この両方が必要だというお話しを頂きました。
プラザ3段目を境界線にして、2グループに分かれて作業をしました。
まず初めに作品の構成を考え、そこから割り出した寸法で布を裁断します。続いて布の両端を折り返して筒状に縫います。この筒の部分に鉄の棒を通し、バーテーションのような状態に仕立てる訳です。芯棒は折り曲げが可能なので、最後に傾けたり捻ったりして表情をつけて仕上げます。
作品として形の残らないインスタレーションがアートとなり得るには、その背景にしっかりとしたコンセプトが不可欠なのだと川名先生は仰います。そうして生まれた作品は、むしろいつまでもそこにあり続けないものだからからこそ人の記憶、心に深く刻まれるのだと。
今回の作品も完成後、小一時で撤収作業に移りましたが、確かにいつまでの私の心に残る、忘れられない作品になりました。