お彼岸を過ぎて東京では桜が満開です。時節柄、賑やかなお花見は叶いませんが、各々が静かに愛でる分には誰に遠慮はいりません。街中で桜の木に出くわすと思わず立ち止まって、しばし見惚れてしまいます。春はやはり桜ですね!
さて、今日の枝ものは吉野桜でした。
投入で花を咲かせるのはTさんです。合わせる花ものはガーベラとスターチスの2種がありましたが、敢えてガーベラは使わずにスターチスと桜のみで構成しています。この渋い組み合わせはTさんならではの面白いアイデアですね。果たしてどんな作品になるかと思いましたが、粋な仕上がりになりました。お見事!
Sさんは主張の強い色の花材に対し、ならばとカラフルで個性的な花器を選びました。ヴィヴィッドな黄色のガーベラは視覚的アクセントであると同時に、作品の重心をとるアンカーの機能も果たしています。低く延びる桜の枝と床面の間合いに緊張感を持たせながら、バランスの良い作品に仕上がっていますね。