花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

一昨日のお稽古:22 Sep 2024

相変わらず暑い日が続きますが、それでも日は大分短くなり、秋を感じる場面も増えてきました。立秋はとうに過ぎたのですから、いつまでも夏の名残りではたまりませんからね・・・。

 

さて、一昨日はS.I.さんがお見えになり、盛りだくさんのお稽古に励まれました。テキストの残りも僅かになり、未履修テーマのクリアをせっせと進める中、今回は「野菜・くだものをいける」「まぜざし」「実もの」に挑戦です。

 

まずは野菜を素材に一作。先端の尖ったオクラ、ゴーヤ、ドラセナの間から、モコモコと泡立つシャボンのように、しめじ、玉ねぎ、赤なすを重ねました。ちょっとグロテスクで、面白い作品になりましたね。

S.I.さん:ゴーヤ、オクラ、しめじ、玉ねぎ、ドラセナ、赤なす

 

 

続いて、まぜざしです。お花屋さんが「秋の七草」風で花材を組んでくれました。

まぜざしの醍醐味はなんと言っても色使いにあります。ケイトウの赤、リンドウの青と白、小菊の黄色、孔雀草と唐辛子の紫、これらの鮮やかな色をどう組み合わせて、調和のとれた作品にまとめるか・・・、思うよりも難しい作業です。特に今回は投入ということで、思いのままに配色とはいかなかったかも知れませんが、綺麗に仕上がりました。器も秋らしく、とても素敵です!

S.I.さん:ドウダンツツジ、リンドウ(2色)、ケイトウ、孔雀草、小菊、唐辛子

 

最後は実ものです。今回は赤なすを使いました。実ものにはカリンやザクロのように一つ一つが大きく存在感のあるものもあれば、野バラや梅もどきのように小さな実をたくさんつけた軽やかなものもあります。どちらの場合も往々にして重みがありますので、作品の形がしっかりと保てるよう(崩壊しないように!)バランスを考えていけることが大切です。

今回使った竹籠は私の自作で、既製品のように座りが良くないため横に寝かせて使っています。

S.I.さん:赤なす、ドウダンツツジ、ドラセナ

例えば、せっかくの実を切り落とすとなると、なかなかに勇気がいるでしょう。それでも疎密のない作品は緊張感に乏しく退屈に見えてしまいますから、より魅力的な作品にするために必要とあれば思い切りも大切です。

実ものの重量を支えるバランスという意味での「安定」と、その概念に対峙する「メリハリ」という2つの要素を同時に取り入れることは容易ではありませんが、チャレンジし甲斐のある課題です。「実りの秋」というくらいですから、この時期に色々なタイプの実ものをいけて、大いに腕を磨いて頂きたいと思います。