今週はS.I.さんとT.Y.さんがお見えになりました。
初めにS.I.さんですが、今回は”床面” (=作品を設置する土台、面を指し、テーブルに置いた場合はテーブル面が床面にあたります)という要素を作品に取り入れて制作して頂きました。花器という作品のベース(ダジャレじゃないですよ、笑)に縛られることなく、ダイナミックに展開させます。床面と花材とで形作られる空間に緊張感を持たせ、花器との関わり方にも意識を向けたいところです。
トクサが蜘蛛の長い足のようで、今にも床を這って動き出しそうですね。少々グロテスクにも見えますが、花器の寸法の何倍もの空間をしっかりと取り込んで、独特の世界観が表現できたように思います。
続いてT.Y.さんですが、同系色の組み合わせをテーマにお稽古して頂きました。今回は黄色、オレンジ、サーモンピンクという暖色系でまとめています。
例えばベニバナの花一つ取っても、黄色い部分とオレンジの部分、赤茶色の部分と様々な色合いが見て取れます。また、同じ色味の花材であっても形や大きさ、質感にはそれぞれ個性がありますから、どこにどの素材を、どの色合いを、どのくらいのボリュームで組み合わせるのか、その辺がポイントになります。花器選びにも工夫が欲しいですね。
お稽古時はグラジオラスの花がまだ開ききっておらず、ピンクよりもむしろグリーンの方に目が行きますが、ご自宅でいけ直される頃には華やかな色合いが楽しめるでしょう。その際には是非、色の組み合わせに注意をはらっていけてみてくださいね。