花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

先週のお稽古:22、26 Oct 2023

ブログ更新が遅くなりましたが、先週のお稽古をご紹介します。

まずは自宅教室のS.I.さんです。今回は曲線を意識して作品を構成して頂きました。

S.I.さん:ハラン、石化エニシダカーネーション

ハランを根気よく割いて丸めて曲線を表現しています。別カリキュラムの「同じ形を繰り返す」にも通じる細工ですね。面白い形になりました。

基本型を学ぶ間はこの手の冒険とはほぼ無縁なので、自由花の醍醐味と思って楽しんで頂ければ良いと思います。

 

 

続いてT教室のTさんです。こちらは剣山なしのお稽古です。

今回の作品は雲竜柳1本を逆さにして自立させ、そこにサンゴミズキ1本を立てかけバランスを取っています。うーん、確かに剣山は使っていないのだから"剣山なし"なんですが・・・。これはこれでとてもスタイリッシュですし、はっきり言って個人的に好みです。

が、敢えて言うならば、オーソドックスな剣山なしのやり方は、最低3本の枝を互いに支え合うように組み合わせ、重心を取って軸足とします。この時、枝の足先を水盤の縁(角)に立てると安定しやすいのですが、余りバランスが良過ぎてテントのようになっては面白味に欠ける作品になるため、その匙加減が難しいところです。つまり「地震が来たらどうしよう?」と心配になるような、そんな少しばかりスリリングな作品の方が剣山なしとしては魅力的ですからね。
その意味では、危うげな緊張感が伝わってくるこの作品は剣山なし作品として成功していると言って良いでしょう、笑。

Tさん:雲竜柳、サンゴミズキ

 

花材に手を加えて(人工的に)形を作り出すというのは、草月で好んで用いられる手法ですが、細工の始末が雑であったり不恰好であったりすると、せっかくのアイデアも労力も台無しになってしまいます。剣山なしでいける際にもワイヤーや虫ピンなどの小道具を使うことがあるでしょう。そうした仕掛けは極力目立たないように配慮する必要があります。これは盛花で剣山が見えないように工夫するのと同じ考え方です。安っぽい幼稚な工作に見えないよう、丁寧に仕上げることが大切です。