師走も半月が過ぎ、そろそろ年越しの支度に手をつけた方もいらっしゃることでしょう。
私にとって年末の仕事と言えば大掃除に年賀状書き、そしてここ数年はニシン漬けの仕込みがこれに加わりました。ニシン漬けとは北海道の冬の定番漬け物で、大根、キャベツ、人参、生姜に身欠きニシンを加えて麹と塩で漬けた発酵食品です。
母が北海道の出身だったので、子供の頃には祖母手製のニシン漬けがお雑煮のお供としていつも食卓に上ったものです。
まず野菜ですが、大根を天日で数日干します。しんなりしたところで乱切り(もしくは半月、銀杏切り)に、キャベツは大きめのざく切り、人参・生姜は千切りにします。身欠きニシンはソフトタイプではなく本乾を用い、お米の研ぎ汁に一晩浸して戻したものを2-3センチ幅に切って使います。さらにぬるま湯でふやかした麹、材料の30%程度の塩を用意します。野菜、ニシン、塩、麹を順に容器に詰め、これを数回繰り返して層にして、最後に重石をのせて発酵を待ちます。
当たり前ですが北海道と比べれば東京は真冬と言っても気温が高いので、出来上がった後は冷蔵庫での保存がお勧めです。でないとあっという間に発酵が進み、酸っぱくなってしまいますからね。
この辺の加減はキムチに似ているかもしれません。酸味の度合いは人それぞれ好みがありますから、酸っぱいのが苦手の人は発酵が余り進まないうちに食べ切った方が良いでしょうし、酸っぱい方が好みの人は焦らず熟成を待ちましょう。その頃にはニシンも漬け汁を吸って柔らかくなり、味わいは酢漬けのようで絶品です。
全国的にはまだまだマイナーな漬け物かもしれませんが、野菜と動物性タンパク質を同時に取れる贅沢な一品です。ニシン漬けデビューがまだの方は是非とも!