花をいけてみたら変わること

「華道」とかしこまらずに、ただ花をいける楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです

裏話し

一昨日(1月13日)無事に紀尾井町イベントが終了しました。ご来場下さった方にはこの場を借りて心よりお礼申し上げます。

 

3週間弱の展示期間中には3回のいけ替えを行い、手入れも毎日欠かしませんでした。今回の作品ではたくさんの生花を用いたために日々花の劣化との闘いという側面があったからです。傷んだ花は作品の印象を悪くしますから小まめなメンテナンスが必要です。全体のバランスを崩さないよう気を配りながら手入れをしなくてはいけませんが、限りある花材の中でのやり繰りを迫られることもしばしばで、時に止むなく構成を変更することもありました。

f:id:Sosyu:20200115132453j:plain
f:id:Sosyu:20200115132511j:plain
f:id:Sosyu:20200115132529j:plain
作品「懸け橋」:塚本草昌先生


言ってみれば、18日の間、作品は1日として同じ姿を留めてはいなかったということです。ここが造花と生花の大きく異なる点ですね。生花には造花にはない大きな魅力がありますが、同時に難しさもあるということです。もっともこれはあくまでも制作者側の事情であり、「今日は花の見頃を過ぎて出来が良くないから、明日改めて見に来て」は通用しません。大半の方は一期一会として作品を目にする訳ですから、常に万全でなくてはなりません。

先生は手入れを終える時、花に向かって「いい子にしていてね」と語りかけるのですが、そう願うようなお気持ちになるほどプロの仕事とは厳しいものだということでしょう。

 

作品撤去の後、残った花材を分けて頂きました。大役を果たし終え、今は我が家でこうして第二の人生(花生?)を送っています。愛でるための花というよりは、花をのんびり休ませて労っているという具合です。

f:id:Sosyu:20200115143849j:plain
f:id:Sosyu:20200115121104j:plain
左:バンダ、水引 右:グロリオーサ、オンシジウムデルフィニウム、かすみ草、アスパラ