今年は近年では珍しく、3月が終わろうというのにまだ桜の蕾が硬いようです。
先週末、小金井公園にて桜まつりが実施され、それに合わせて江戸東京たてもの園内で「いけ花と茶席のつどい」が催されました。桜の全くない「桜まつり」は流石に残念ではありましたが、たくさんの出店が並び、園内にはイベントに盛り上がる声や賑やかな音楽が明るく響き、公園に足を運ばれた方々は花はなくともお祭り気分はしっかりと堪能されたようです。
第70回小金井桜まつり | 小金井市観光まちおこし協会
昨年は常盤台写真場を会場に塚本草昌先生以下、門下8名で花をいけましたが、今年は場所を天明家(母家)に移し、また違った雰囲気の中で作品を制作させていただきました。
入口を入って直ぐの花席なので、明るい色の花器と花材を選びました。フリージアは香りも楽しめる花ですから、ご来場の方々に春を感じていただけたなら何よりです。
実際、受付当番の際、建物に入られた方から「わぁ、きれい!」の声が聞こえると、思わず「"イイね" いただきました!」とガッツポーズをしてはしゃいでおりました、笑。
天明家の居間、建物のメインとなる花席には塚本先生が大作をおいけになりました。囲炉裏で漆黒に燻された引戸をバックにレンギョウとグロリオーサの黄色が鮮やかに映えて、これぞ正真正銘のお迎え花ですね。
土間に据えられた釜戸の脇には姉妹弟子の五本木昌広さんの作品です。土の質感が何とも味わいのある壺に、花木を大らかにおいけになりました。右手から差し込む自然光に椿の葉が艶やかで、とても素敵です。
所変わって、小出邸に2作出品は、昭和記念公園野外展のチームメイト、北村嶺世さんです。
色味を抑えた清楚な作品(左)と、それとは対照的に赤い鉄水盤が印象的な作品(右)は大胆でポップです。両作とも実物は写真以上の大作・力作で、これらをお一人で仕上げたとは脱帽です!
草月には「場にいける」というカリキュラムがあります。歴史的な建物に花をいけることが貴重な機会であるのは言うまでもありませんが、文化財を傷つけないよう細心の注意を払う様々な工夫など、日頃のお稽古ではなかなか習得できないことも体験しますから、とても勉強になります。
今回もお声がけ下さった塚本先生には心より感謝申し上げます。
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